2019/07/22
よこうちクリニックでは月に一度、土曜日に発達障がいグループワークを行っています。
2015年に始まり、2019年3月で30回を超える開催になります。
7月6日のグループワークには約13人の方々が参加されました。
このブログを通して、参加した方、参加していない方、どちらの方々にも振り返りや今後の日常活動にすこしでも参考にしていただければ幸いです。
グループワークでは前回のアンケートで頂いた質問に横内院長がお答えするコーナーがあります。
今回シェアされた質問は以下のとおりです。
- 文章を頭の中で組み立てるのが難しい
- 仕事で限界までやってしまう
- 3万歩歩いてしまう
- 人より頑張って、認めてほしい
- コミュニケーションが上手くできない
- 視覚過敏の対処法
この中から
- 人より頑張って、認めてほしい
に対する院長のアドバイスをご紹介します。
※回答は文章化するにあたって加筆されています。
「人より頑張って認められたい」
発達障害の人はとても頑張ります。
なぜなら頑張ることが日常的に必要だからです。
発達障害の人は一見難なくみんなと同じようにできていると思われますが、
でも実は目に見えないところで、ものすごく頑張った結果できています。
他の人の何倍も頑張ってできている。
(周りの人たちや社会がこの見えない部分のものすごい頑張りを知ることも大事)
でも頑張り過ぎると弊害が出てきます。
それは「継続」が困難になること。
仕事は継続の連続です。
仕事は「いつもと変わりなく続けることができる」ことによって成り立ちます。
でも頑張りすぎると継続できなくなってしまう。
頑張りすぎて続かなくなれば元も子もありません。
頑張り過ぎを防ぐには、趣味や好きな事に没頭する時間を持つことも大切。
院長は好きな作詞や作曲に楽しくて没頭している時は、
「ごめんな、みんなのことも忘れてる」のだそうです。
地道に仕事を続けて行くために、仕事以外に楽しくて没頭できる事があればまた仕事を頑張れるから、との院長のアドバイスでした。
質問と回答に続き、ミニセミナーがあります。
仕事や日常生活にすぐに役立つ工夫など、10分程ですが院長がお伝えしています。
今回は、
院長:「グラフを使っての説明がわかりやすいと評価があるので、今日はグラフで説明します。」
~ADHD(注意欠陥多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム症、アスペルガー症候群)の症状が年齢経過でどのように変化するかをグラフ化して見る~
症状や障がいの特徴は一定しているのではなく、年齢の経過とともに変化することがグラフによって示されました。
また、年齢以外にも周りの人達との関係が症状の悪化や改善に大きく関わっていることもわかりやすく説明されました。
その関係性への欲求も年齢によって変化します。
ただ叱ったり否定したり強制したりするのではなく、親や周りの人達の柔軟な対応が必要です。
親や教師が「それでいいんだ」と受け容れる。
そうすることで子どもは「困ったことがあれば相談して解決できる」という経験を積むことができ、その経験の積み重ねこそが社会人になって仕事をしていく上で大きな助けとなります。
質問回答・ミニセミナーの後は約1時間、院長と看護師・精神保健福祉士の立ち会いのもと、参加者の方々が お互いに日々の悩みや実践している工夫など、話し合いが行われました。
次回は8月3日(土)13:30~、ご参加をお待ちしています。